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もんじゃ*BEAN Webデザイナーへの軌跡

第10話ついに決定!?

数え切れないくらいたくさんの会社に履歴書を送ったもんじゃ。そしてことごとく撃沈してきたもんじゃ。
この世に神はいないのか!?本当にそう思っていました。いくらなんでも落ちすぎだろ!いったい私のなにがそんなに悪いのさ!!
…こうして季節は冬から春へと変わっていきました。

ある日のこと。いつものようにインターネットで仕事の募集を探していると、とある会社の募集が目につきました。
「DTP経験者募集。パート。期間限定雇用」
当然私はDTPの経験なんかありません。いつもならさっと見てやりすごすような内容の募集だったんだけど、なんとなく、なんとなーく気になりました。
期間限定ならDTPの経験がなくてもWebデザインの経験があればなんとかなるんじゃねーか?(根拠ナシ)
正社員募集じゃないからそうそう年齢で引っかかることもないだろうし、ダメ元で応募してみようか?
そんな軽い気持ちでとりあえず電話を掛けてみました。

応募した会社は地元では有名な印刷会社の子会社でした。
「DTPの経験はないのですが、Webデザインをやっています。」
そう話すと、担当の方は
「そうですか。当社で出していた募集はDTP経験者なんですが、Web部門も今人手が足りないんですよね…。とりあえず履歴書と過去に制作した作品を持参して、明日面接に来ていただけますか?」
おおっっっ!!こんな展開今までにほとんど経験がなかったぞ!?もしかするともしかするかも……!!!
そして次の日、超緊張しながら立派な建物の一室で面接を受けたのです。

桜咲く…会社側の条件はこうでした。
「Web部門が忙しいので、入社したらそちらのほうでやっていただきます。本当はDTPを覚えて欲しいんですが、せっかくWebの技術を持っているしそのままWebのほうをやっていただくことになると思います。」
説明をしてくれる担当者の横ではWeb部門の主任が厳しい顔をして、私の過去の作品(を印刷したもの)を見ています。うぅぅドキドキ…。

そして数日後。とうとう電話がきました。
「採用させていただきます。」

……この時の気持ちって、もう言葉では言い表せないですね。
今までの苦労がやっとやっと報われたって感じで……。ほんっと感無量でした。

時間は朝9時から夕方6時までのフルタイム勤務。パートとはいえ正社員と同じ時間勤務です。私の配属されたマルチメディア部門は、主任(Webディレクター)、Webデザイナー1人、プログラマー1人、そして新卒のデザイナー見習い1人の計4人だけでした。これじゃ人手が足りないわけだよなぁ。
入ったその日から、すぐにデザインの仕事を任されてしまったのです。

そのサイトは地元の食べ処、飲み処、宿泊、観光、買物、特産物などを紹介した総合情報サイト。コンテンツが膨大な量で、なかなか作業が進まなかったそうなのです。ここでの作業はかなり楽しく、そして勉強になりました。インターネットを通じて知り合ったWeb関係の友人もたくさんいていろんな情報を知ることはできたけど、それとは違い身近にいる人に直に教えてもらう。そういったことは私にとっても貴重な経験だったんです。

その後、新規サイトをまるごとひとつ任されました。デザインからコーディングまですべて1人でやるのです。ここでひとつの壁にぶち当たりました。

毎日残業をし、やっとサイトを完成させ上司に確認してもらいました。
「ここはもっとこうしたほうがいいんじゃないか?」
その言葉でさらなる残業が確定。修正後の再確認でもまた
「ここもこうしたほうがいいんかないか?」
また残業時間大幅アップ。
これが延々繰り返される。
あの。もう日付け変わりますけど。

これが会社で勤務する上の必須事項だったんですね。病院の外来勤務、定時退社が当たり前だった私には精神的にけっこうきました。わかってる、わかってるよ。私が希望して入った会社なんだし仕事なんだし…。まだまだ甘ちゃんですよね。

上司のチェックを受け出来上がった作品はクライアントに持って行かれ、そこでまたチェックを受けます。クライアントはWebデザインについては当然素人。クライアントとの打ち合わせは営業部の人間。とにかくクライアントの言いなりなんです。自分のところのデザイナーが作った作品をアピールできないんですかね。ま、私自身も「デザイナー」だと胸張って言えるほどの技術なんか持っていないんだけどさ〜。

クライアントに言われるがままに、結局4度もの大幅修正が入りました。そうやって納品した作品は、最初のデザインとはほど遠い、全体のバランスのとれない何ともヘンテコな作品に様変わりしてしまっていたのです。

大幅修正にアセるの図どうしてこういうイメージの作品を作ったか。何をコンセプトにして作ったか。それを私は私自身の口からクライアントや営業さんにアピールすることはできないのです。営業もクライアントに言われるままに「こことこことここを修正してください」なんて。“それは絶対おかしい!”って思っても、自分の意見を口に出すことはできないのです。とにかく言われるがまま!印刷会社のWeb担当の人って、みんなそんな感じなんですか?

その後もいろいろなサイトに関わりましたが、デザインを作るというのはほとんどなく、ひたすらテキストデータの書き換えなどが主な仕事でした。(他の社員もしかり)FireworksやDreamweaverを使ってはいても、あくまでも仕事の内容はオペレータなんですよね。仕事に対しだんだん貪欲になっていった私は、これがやりがいのある仕事だとは思えなくなっていってしまいました。

入社から2ヵ月後、私は人事の偉い人に呼ばれました。
「そろそろDTPを覚えてください。」
コラ!話、違うじゃん!!

直属の上司が掛け合ってくれたんだけど、もっと上のお偉いさんの言うことには逆らえず、結局私はマルチメディア課から製作課(DTP部門)に配属されてしまったのです。元々DTPで募集出してたんだから、そっちに行って当然だろ?みたいな雰囲気漂ってたし。

製作課には100名近い社員がいました。マルチメディア課の4人とはえらい違い!Windows班とMac班に部署が分かれていて、広告やカタログなど画像を取り入れたDTPを作るのがMac班。本やテキストなど、文章を主に手がけるDTPを作るのがWindows班と、それぞれ役割分担されていました。私はWindows班。午前中は文章の校正、午後はDTPで使用する「エディカラー」というソフトのお勉強。それが数週間続きました。

こういった経験は初めてだったので、それなりに楽しいといえば楽しかったです。もしWebを知らなければ、DTPを極めたい、そう思ったかもしれません。でも私はWebを知っている。そしてWebデザインを続けたい。やっぱりその想いが強かったから、この仕事は長くは続けないだろう。それは製作課に配属された時からわかっていました。どのみちDTPだって、ある程度覚えたら業務委託契約を結んで在宅ワーカーにさせられるんだろうし。

結局私はこのDTPを覚えることなく2ヵ月後、退職願を提出しました。Webのほうで委託契約を結び、会社を後にしたのです。

やっぱり私は在宅でWebを続けていくことになるのかなぁ。それが私の運命なのかもな…。
もはやあきらめというか、開き直りというか、そんな気持ちが私の胸に去来していました。


次回でいよいよ最終回!「私が本当にやりたかったこと」どうぞお楽しみに!!


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