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kei*BEAN Webデザイナーへの軌跡

第2話“資格商法”に導かれて

 
こんにちは。kei*BEANです。
第2話は職探しからスタートです。働きたくても、すぐ仕事が見つかるほど景気はよくないし。さて、働くとしてもどうするかなぁ?と、いつもそればかり考えていました。
えっ?ネット検索すればって?
実は、昨年はまだネット回線をつないだだけの状態でした。ネットサーフィンなんて言葉も知らないし、ましてやネット検索も…。なんにも知らないのに、やる気だけはありました。
これでは「ネット情報で身を守る」感覚、育つはずがないですよね。とても危険です。
無知で信じやすいネット初心者が、やみくもに求職活動を進めていく。
その筋のビジネスにとっては“ネギ背負ったカモ”、というところだったのです。たぶん。
昨年の春先のこと。新聞広告に目が!──私、広告、好いとります。爆。
2社が『入力者募集』をしていました。私はPCを持っているし、経験もある、何より働きたい!そう願っています。「これってラッキー!」と広告に飛びつきました。
A社は「オークション制を4月から導入」──入札制は論外なのでパスしました。
実績を積みたいために入札価格を0円にする人もいるらしい…。高い精度の品質を維持するのはとても無理だと、私は思いました。
B社は細かいところまできっちりとした、たいへん印象の良い会社でした。電話応対、連絡事項の伝達、書類発送、チェックリスト等。どれをとっても、良い印象を受けました。
B社のターゲットがPC初心者層なのには「ん?」と思いましたが、良い会社だと思ったとたん、即、行動に移していました。私の方から積極的に飛び込んでいったのです。思えば、私のようなケースも珍しいです。私は業務経験者(第1話に詳述)でしたから。

〔スキルアップしながら仕事をしていただきます。最初は最低半年間の実践訓練作業(データ入力のこと)。その次に進路の選択。コースはWeb制作、財務会計、データベース、PC設置の4コースがあり、最終的にその分野のエキスパートになるまで指導します〕
仕事までの流れは 〔従来の取得済み資格は無効〕→〔65万の教材購入〕→〔MOUS資格をとる〕→〔適性試験に合格する〕というもので、俗に“資格商法”と言われています。

「えっ!?いままで取っていた資格は無効?ふ〜ん、下心が見え見えだな。高い教材を買わないと仕事はあげないよってことなのね!」私はそう思いました。たいていの人はこの時点でパスされるようですね。でも私は、その時はまだ無職でした。多少でも収入が入るようになる。そのことを思えば、少しばかりのナンセンスなんて目にもとまりません。
先入観で、B社はそれなりにしっかりしている会社だと思い込んでいましたし、投資を上回る金額が回収できればそれでOK!と思っていました。(相手によりけり、です)

「騙されているのでは?」と思ったこともありました。異常に高い教材費には驚くばかり。おまけに、ワードやエクセル2000のソフトを使うとなると所有のPCでは対応できません。まだ98シリーズを使っていましたから、これらのソフトとは互換性がありません。新しいPCを買うことになります。
この話は、まさに“清水の舞台から飛び降りる”心境──賭けでした。PCを買い、教材を買い、イカレたプリンターを買い換えて…おおかた100万飛んでしまいます。これで、私のポケットマネーはパーとなるのです。それでも話が進んだのは、営業さんがウマ過ぎたのでしょうか。笑。
正直に言いますと、B社のパンフレットにはかなりの額の請負単価が明示してありました。「これなら損はしないよね♪」と思ったのです。収入の大部分を生活費に回したとしても、投資額は2年で回収できるような皮算用もしていました。つまり「あとは私のヘソクリよん♪」と貯蓄計画まで。宝くじを買った時の「当ったら○○しよう♪」と同じです。爆。
このときに現在のPC、98NXを買いました。教材が届くとすぐにお勉強。楽しみながら一生懸命にがんばりました。MOUS試験、適性試験にも無事ゴーカク出来ました。合格後に、「担当窓口」がB社から系列C社に変わりましたが、すぐにでも仕事にかかれる気でいたので、考えることといったら、そのことばかり。

ところが、予定外の最終関門「単価ランク決めの試験」がありました。
この試験のことはまったく聞いていませんでしたし、この試験こそ最大の難関でした。私はなんとか一発合格しましたが、それは業務経験があったからこそ。実務知識と「わからないことは担当窓口に質問する」という基本姿勢が要求される試験でした。業務経験のない人はどうするのでしょう?何度も何度も、合格するまでトライし続けるのでしょうか?
実際のところ、それが事実のようです。そしてトライするたびに、仕事の請負単価がどんどん下がるという“内情”を、あとで担当マネージャーから聞きました。

とにもかくにも私の単価が決まりました!あまりの安値に驚きです。
デフレとはいえ、あまりの価格です。今のPC業界のことはよくわかりませんが、データ入力の値段はあまりにも安い。これをどう判断したらいいのでしょう。
C社の説明では、入力業界の「価格暴落」「大衆化」が数年前から始まったそうです。
誰でも出来る仕事は単価が安くなる、という事実。でも、私はそんなPC業界の事情まで知りません。C社から、一度で合格した人は一番高い単価になっていると説明を受けました。でも、私は…じゅうぶんに騙された気分になりました。決定された請負単価は、パンフレットで提示されていた請負単価の4分の1だったからです。

「あのぉ…パンフレットの単価とはかなり違いますが?」
「あのパンフレットは改訂する必要があるのです。前から上司に言っているのですが」──そのひとことで済む問題なのでしょうか?
実際に、本当の請負単価は虫めがねで見るような大きさの字で、C社のパンフレットの隅っこに書いてありました。書いてあることには間違いはありません。ですが、そもそもの窓口、B社のパンフレットには、人を誘い込むような大きな大きな字で高額の請負単価が印刷してあるのです。「それはナイでしょう」と思いました。誇大表示・誇大広告──これが、この種のビジネスが抱える一番大きな問題なのだそうですが…。ひどいです。

実際にC社の仕事を始めて驚いたのは、作業量の少なさです!
1日でこなせる作業量をC社は7日がかり。これは作業者のレベルを、タイピングもままならない初心者層に設定しているからとのことですが…。「Kさんには常時フル稼働していただきたいので○○作業を考えています」と、おいしい話はいっぱいいただきました。ですが、すべてが異常な単価なのです。1時間当り100円の仕事って…喜べますか?
100円ですよ、100円!…私は非常に落胆しました。何かものすごぉく勘違いしていたんではないだろうか?あまりにも予想とは違う現実に次第に心が暗くなりました。
「…これって内職?」──仕事を実際にしてみて、そう思いました。ネット上の掲示板では「パートに出たほうがいいですよ」の書き込みをよく目にします…。全く同感です。忙しい時で月に5万、他の月で2、3万の数字です。それも家庭を犠牲にして作業した数字なのです。前職では月に30万から40万の収入です…。しかも、孫受け単価での受注です。

「安いです。でも、将来SOHOのお仕事をするために、早く実績を積みたいですよね?勉強しながら同時に報酬がもらえ、実績や実務経験(※)となるシステムです」という仕事。「能力がない、と判断した方には発注はしていません」ともC社から聞いています。全く経験のないPC初心者が対象でありながら、これでは単なる「足切り」です。稼働能力がなければ受注できない、教育システムはない、異常な廉価。これが“資格商法”なのですね。
※ ネットで仕事を探された方はご存知だと思いますが、業務経験のない方のネット上での求職活動は、とても困難なのです。
私は印刷畑出身(第1話に詳述)で書籍出版物の入力を専門にしてきました。私がしたかった仕事・専門にしてきた仕事は、現在、PC業界ではMacに流れています。でも、購入したパソコンはWindows…。立ち上がりから、すでに道がズレています。私は新しいPCのOSの選定を誤ったことを激しく後悔しました。知識や情報はほんとうに大切なものだと痛感しています。「したい仕事」を基本に置いて職を探すべきでした。今から手持ちのPCで始めようと思っても、書籍出版の仕事はWindows業界にはありません。その道にあくまでこだわるのなら、Macを買い、QuarkXPressを買い、特殊なフォントを買って、一から勉強し直しです。あのフォントだけで8万だっけ…。気が遠くなります。
私にはもう余分なお金はありません。ネットで“資格商法”業界の様子が分かるにつれ、私自身の気持ちがどんどん萎えていきました。さぁ、詰まりました!

「私はどうしたらいいのだろう?」──いろいろ考えましたが、とにかく、Windowsの道を前に進むしかありません。今さら足元をチェンジしようがないのです。
前職(印刷会社外注)では目先の仕事をこなすばかりで、PC技術の急激な変遷には無頓着でした。印刷業界に籍を置いていた私としては、この10年の様変わりは大変なものです。ワープロからPCへと業界の入力機種が変わりましたが、それに加えてインターネットの急激な浸透で、変化が更に加速されています。加えて、その流れの中で印刷業界のソフト(DTP)が開発普及したことは、私自身の足元を揺るがすものとなっていました。

私は3年前まで個人事業主という会社から独立した立場にいましたが、明日の仕事も、生活も、ある意味、会社が保障してくれていました。専属外注と会社とは「運命共同体」です。暑い日には日傘をさし、雨が降れば雨傘をさして守ってくれる。その「会社」から飛び出す考えをもった時、どんなに仕事が繁忙であろうと、私自身が「将来を見越した考え」をもって準備すべきでした。技術の変遷について行かなかったのは、私自身の責任です。
同時に、今のPC業界について、もっと調べるべきだったと反省しています。業界の分業化がここまで進んでいることを知ったのは驚きでした。多種多様なソフト開発がもたらした業界の変化を予測していなかったのです。いろいろなソフトが出て来たということは、スキルの差別化が始まったということ。結果として、Windows初心者の私、業務知識はあるがソフトのスキルが「Office」のみという現状では、PCの世界で通用するのは「データ入力の分野しかない」ということを知りました。

C社のデータ入力──こういう初心者対象のビジネスが生まれてきたことさえ、想像を超えていました。やり場のない複雑な想いが次から次から襲ってきて、私はWindowsの入口でしゃがみ込んでしまいました。しゃがみ込んで前に歩けなくなりました…。

「自助努力」「幸運が舞い込むのを待ってちゃいけない」
──悩みに悩んだ末、積極的な生き方をとり戻そうと、自分をふるい立たせました。
「自分で営業をかけていくしかない!マトモな会社を探そう!」とネット検索に力を入れ出したのです。ネットサーフィン、ネット検索は既にかなり手慣れていました。

「あるじゃない〜!」笑。あちこちの求人欄を読んでは選びまくり、良い募集先にだけメールを出しました。一方では求職欄にPRを書きまくりました。“目からうろこ”の状態です。考えてばかり、悩んでばかりだった昨日までのことが笑えてきました。今のスキルでは明日の糧は無理だけど、過去の実績が今日の糧を運んでくれる。その手応えを感じました。
一方、C社です。「教材費は全納済みだし、辞めるのはいつでもできる」という考えで、まだ籍を置いています。私もしぶといですね。爆。

「Windowsで私は何をしたいのか」──この時はまだ考える余裕がありませんでした。過去の業務経験がPC業界で通用するかどうか、まず、そこが大きな山でした。やっとひと山越えて安堵したのも束の間、続けて更に「新しい山、Webへの道」を開いてくれる人との出会いが、この後やってきたのです。


次回は「あなたは足長おじさん、なのですか?」です。それではまた次回。
 
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