犬を見つめる作者の優しい目と、銅版画独特の色合いとがあいまって、見るものの心にじんわりと染みてきます。犬図鑑としての機能も楽しく、どういうジャンル分けをするかによって、単に画像を並べただけのページとは一線を画す作品集になるという、良い見本のような気がします。作品は言うまでもなく、全体の構成にも完成度の高さを感じる、まるで一冊の作品集を見ているようなページです。
まず目に飛び込んでくる赤。メニューページに飛ぶと、ガラリと色が変わった背景の中から、こちらの心の中まで見通すかのような、犬の瞳にドッキリ。色の使い方にこだわりが感じられる作者の作品は、幾重にも塗り重ねられた深い色合いが魅力的な、素敵なものばかりです。同じようなテイストの作品なのに、ページが変わるとまるでイメージが変わる気がするのは、その背景選びにポイントがあるように思います。
背景が潔いほど「白」です。また、それがイラストのシンプルだけれども的確に猫をとらえている、線と色で構成された作品の数々をとても引き立てています。作品の見せ方はシンプルな縦スクロールなのですが、各ページの一番下の部分にある、同じ猫のTopへ戻る大きなアイコンに、何だか安心感を覚えます。各ページの統一に気を配ることは、とても大事なことだと改めて思いました。